ひまわりのめ
向日葵の眼

冒頭文

一 麗子の嘆き 「あら、麗子さん、どうなすったの」「あッ、加奈子さん」「近頃学校へもいらっしゃらないし、みんなで心配して居てよ、——それに顔色も悪いわ、どうなすったの本当に」「困った事が起ったの、加奈子さん、私どうしたらいいでしょう」 加奈子は、お使いに行った帰り上野の竹の台で、お友達の麗子にバッタリ出逢ったのでした。 麗子は、加奈子と同じ年の十三、今年女学校へ入ったばかりですが、小学校からズ

文字遣い

新字新仮名

初出

「少女倶楽部」1929(昭和4)年11月

底本

  • 野村胡堂探偵小説全集
  • 作品社
  • 2007(平成19)年4月15日