あくまのかお
悪魔の顔

冒頭文

物騒な話題 「そんな気味の悪いお話はお止(よ)しなさいませ、それより東京座のレヴィユーが大変面白いそうじゃ御座いませんか」 と話題の転換に骨を折って居るのは、主人石井馨之助(けいのすけ)氏の夫人濤子(なみこ)、若くて美しくて、客が好きで物惜みをしないというので、苟(いやしく)も此邸(このやしき)に出入する程の人達から、素晴らしい人気のある夫人でした。 が、その美しい夫人の魅力を以てしても、其晩

文字遣い

新字新仮名

初出

「文芸倶楽部」1930(昭和5)年10月

底本

  • 野村胡堂探偵小説全集
  • 作品社
  • 2007(平成19)年4月15日