はたもとたいくつおとこ 03 だいさんわ のちのはたもとたいくつおとこ
旗本退屈男 03 第三話 後の旗本退屈男

冒頭文

一 ——その第三話です。 江戸年代記に依りますと、丁度この第三話が起きた月——即ち元禄七年の四月に至って、お犬公方(いぬくぼう)と綽名(あだな)をつけられている時の将軍綱吉(つなよし)の逆上は愈々その極点に達し、妖僧護持院隆光(ごうじいんりゅうこう)の言語道断な献言によって発令された、ご存じのあの軽蔑すべき生類憐(しょうるいあわれ)みの令が、ついに嗤(わら)うべき結果を当然のご

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 旗本退屈男
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1982(昭和57)年7月20日新装第1刷