はたもとたいくつおとこ 02 だいにわ ぞくはたもとたいくつおとこ
旗本退屈男 02 第二話 続旗本退屈男

冒頭文

一 ——その第二話です。 前話でその面目の片鱗をあらましお話ししておいた通り、なにしろもう退屈男の退屈振りは、殆んど最早今では江戸御免の形でしたから、あの美男小姓霧島京弥奪取事件が、愛妹菊路の望み通り造作なく成功してからというもの、その後も主水之介が毎日日(ひ)にちを、どんなに生欠伸(なまあくび)ばかり連発させて退屈していたか、改まって今更説明する必要がない位のものでしたが、し

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 旗本退屈男
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1982(昭和57)年7月20日新装第1刷