やまのみりょく |
| 山の魅力 |
冒頭文
一 夏の登山が今日のように盛(さかん)になったのは、色々の原因があるにしても、山が何かしらん人の心をしっかりと捉えずには置かない、強い魅力を持っている為である。人真似であろうが流行かぶれであろうが、登山の動機は何であっても、二度三度と行く中(うち)には、真実に山が好きになって、機会さえあれば如何しても登らないではいられないようになる。平地では夢想だもしなかった、登山者の前にのみ次から次へと展開す
文字遣い
新字新仮名
初出
「蝋人形」1934(昭和9)年7月
底本
- 山の憶い出 下
- 平凡社ライブラリー、平凡社
- 1999(平成11)年7月15日