とうげ

冒頭文

一 峠は「たむけ」の音便であるといわれている。そしてそれが山脈又(また)は丘陵を横断する通路の最高所に与えられた名であることは、峠路即ち上り下りの路を坂と呼んでいることから推して疑いないようである。峠への上り口に坂下或は坂本又は坂元などいう地名のあることは、峠路を坂と称したことを語っているものであろう。つまり坂は道路に相当な或はそれ以上の勾配のある処をいい、其(その)頂上が即ち峠である。俗に物ご

文字遣い

新字新仮名

初出

「山と渓谷」1938(昭和13)年9月

底本

  • 山の憶い出 下
  • 平凡社ライブラリー、平凡社
  • 1999(平成11)年7月15日初版第1刷