しみこぼれ |
| 紙魚こぼれ |
冒頭文
大田蜀山人(しょくさんじん)の『半日閑話』の中に「信州浅間岳下奇談」と題して次の記事が出ている。 九月(文化十二年)頃承りしに、夏頃信州浅間ヶ岳辺にて郷家の百姓井戸を掘りしに、二丈余も深く掘けれども水不出、さん瓦を二三枚掘出しけるゆへ、かゝる深き処に瓦あるべき様なしとて又々掘ければ、屋根を掘当けるゆへ其屋根を崩し見れば、奥居間暗く物の目不知、去れ共洞穴の如く内に人間のやうなる者居る様子ゆへ、松明
文字遣い
新字新仮名
初出
「日本山岳会会報」1933(昭和8)年10月
底本
- 山の憶い出 下
- 平凡社ライブラリー、平凡社
- 1999(平成11)年7月15日初版第1刷