のりあいじどうしゃ
乗合自動車

冒頭文

新米の刑事、——そんな事を云っては相済まんが、兎(と)に角(かく)箕島(みのしま)刑事は最近警視庁へ採用された一人で、云わばまだ見習い位の格である事に間違いはなかった。——其(その)刑事に今、守川英吉は尾行されて居る事を知って居る。 何しろ彼は、商売仲間では隼(はやぶさ)英吉と云う名で通って居る丈(だ)けに、年は若いが腕にかけては確乎(しっかり)したものである。尾行(つけ)られて居るのも知らな

文字遣い

新字新仮名

初出

「探偵趣味」1926(大正15)年2月

底本

  • 探偵小説の風景 トラフィック・コレクション(上)
  • 光文社文庫、光文社
  • 2009(平成21)年5月20日