きがのきょうえん
饑餓の饗宴

冒頭文

俺の饑(うゑ)よ、アヌ、アヌ、  驢馬に乗つて 逃げろ。 俺に食気(くひけ)が あるとしたら、 食ひたいものは、土と石。 ヂヌ、ヂヌ、ヂヌ、ヂヌ、空気を食はう、 岩を、火を、鉄を。 俺の饑(うゑ)よ、廻れ、去れ。  音(おん)の平原! 旋花(ひるがほ)のはしやいだ  毒を吸へ。 貧者の砕いた 礫を啖へ、 教会堂の 古びた石を、 洪水の子なる 磧の石を、 くすんだ谷に 

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 富永太郎詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1975(昭和50)年7月10日