かんれきはんぎゃく |
| 還暦反逆 |
冒頭文
去年の大晦日である。 ——あなたも、いよ〳〵、来年は還暦ですね。 と、ある人にいはれた。 ——さうですね。 と、ぼくは、それに対して、人ごとのやうにこたへた。 ——だつて、さうなんでせう?……六十一におなりになるんでせう、来年?…… と、相手は、あきらかに、そのこたへに満足しなかつた。 ——数へ年ならね…… ぼくのこたへはしかし、どこまでも素つ気なかつた。 が、
文字遣い
新字旧仮名
初出
「東京新聞」1949(昭和24)年11月26日~28日
底本
- 日本の名随筆34 老
- 作品社
- 1985(昭和60)年8月25日