初七日の朝、わたくしは子供に訊いた。 『お前、おい、ママの顔をおもひ出すことが出来るか?』『出来るよ。』『どんな顔をおもひ出すことが出来る?』『機嫌のいゝ顔だね。』 子供のさういつたやうに、わたくしにも、いまは亡きかの女の機嫌のいゝ顔しか感じられないのである。……といふことは、かの女の去つたいま、わたくしに、素直な、やさしい、もの分りのいいかの女しか残つてゐないのである。……しかも、この一二年、