「ひきふだ」のはなし
「引札」のはなし

冒頭文

* 田端に天然自笑軒といふ古い料理屋がある。古いといつても、明治の、日露戦争のあとをうけた好況時代に出来たものらしいが、わたくしの二十三四、さうした場所に関心をもちはじめた時分、すでに相当、有名でもあれば、洒落れた贅沢なうちとして、一部に、ことさらな勢力をもつてゐたこともたしかだつた。いまでは、毎年、七月二十四日、芥川龍之介君の河童忌をやるうちになつてゐる。 このうちのために森鴎外

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆75 商
  • 作品社
  • 1989(平成元)年1月25日