あらたまの年の三年を待ちわびて ただ今宵こそにひまくらすれ 津の国兎原(うばら)の山下に小さい家を作って住んでいた彼に、やっと宮仕(みやづか)えする便りが訪ずれた。僅(わず)かの給与ではあったが、畑づくりでやっとその日を過している男には、それが終生ののぞみであっただけに、すぐにも都にのぼりたかった。けれども衣服万端の調度にこと欠いている彼に、どうして道中のいりようを作っていいかさえ、見当の立た