ぜにがたへいじとりものひかえ 134 ぶっしのむすめ
銭形平次捕物控 134 仏師の娘

冒頭文

一 「親分、こいつは変っているでしょう。とって十九の滅法(めっぽう)綺麗な新造(しんぞ)が仏様と心中したんだから、江戸開府(けえふ)以来の騒ぎだ」 ガラッ八の八五郎は、また変な噂(うわさ)を聴き込んで来ました。 「何をつまらねエ」「つまるかつまらねエか、ちょいと行ってみて下さいよ。京屋じゃ怪我(事故)にして検屍(けんし)を受け、日が暮れたら、お葬(とむら)いを出すつもりでいるが、若い娘が仏様を抱

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1942(昭和17)年6月号

底本

  • 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
  • 嶋中文庫、嶋中書店
  • 2005(平成17)年8月20日