うもんとりものちょう 06 なぞのはっけみ
右門捕物帖 06 なぞの八卦見

冒頭文

1 今回はその第六番てがらです。 事件の端を発しましたのは、前回のにせ金事件がめでたく大団円となりましてから約半月ほどたってからのことでしたが、半月のちといえばもちろんもう月は変わって、文月(ふみづき)七月です。ご承知のごとく、昔は太陰暦でございますから、現今とはちょうどひと月おくれで、だから七月といえば、まさに炎熱のまっさいちゅうです。それがまたどうしたことか目もあてられない酷暑

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 右門捕物帖(一)
  • 春陽文庫、春陽堂書店
  • 1982(昭和57)年9月15日