ぜにがたへいじとりものひかえ 123 やとりむすめ
銭形平次捕物控 123 矢取娘

冒頭文

一 「親分、折角ここまで来たんだから、ちょいと門前町裏を覗いてみましょうか」 銭形平次と子分の八五郎は、深川の八幡様へお詣りした帰り、フト出来心で結改場(けっかいば)(楊弓場)を覗いたのが、この難事件に足を踏込む発端でした。 「なんだ、ここまで俺を引っ張って来たのは、信心気かと思ったら、そんな企(たくら)みだったのかい」「でもね、親分、楊弓は悪くありませんよ。第一心持が落着いて、腹が減って、武芸

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1941(昭和16)年7月号

底本

  • 銭形平次捕物控(十三)青い帯
  • 嶋中文庫、嶋中書店
  • 2005(平成17)年7月20日