ぜにがたへいじとりものひかえ 125 あおいおび |
| 銭形平次捕物控 125 青い帯 |
冒頭文
一 その晩、代地のお秀の家で、月見がてら、お秀の師匠に当る、江戸小唄の名人十寸見露光(とすみろこう)の追善の催しがありました。 ちょうど八月十五夜で、川開きから三度目の大花火が、両国橋を中心に引っ切りなしに打揚げられ、月見の気分には騒々しいが、その代りお祭り気分は、申分なく満点でした。 追悼(ついとう)といったところで、改まった催しではなく、阿呆陀羅経(あほだらきょう)みたいなお経をあげ
文字遣い
新字新仮名
初出
「オール讀物」文藝春秋社、1941(昭和16)年9月号
底本
- 銭形平次捕物控(十三)青い帯
- 嶋中文庫、嶋中書店
- 2005(平成17)年7月20日