ぜにがたへいじとりものひかえ 015 かいでんしろいねずみ
銭形平次捕物控 015 怪伝白い鼠

冒頭文

一 「親分は、本当に真面目に聞いて下さるでしょうか、笑っちゃ嫌でございますよ」「藪(やぶ)から棒(ぼう)に、そんな事を言っても判りゃしません。もう少し順序を立てて話してみて下さい。不思議な話や、変った話を聞くのが、言わば私の商売みたいなものだから、笑いもどうもしやしません」 銭形の平次は、およそ古文真宝(くそまじめ)な顔をして、若い二人の女性に相対しました。捕物の名人と言われている癖に、滅多に人を

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1932(昭和7)年6月号

底本

  • 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
  • 嶋中文庫、嶋中書店
  • 2004(平成16)年12月20日