ぜにがたへいじとりものひかえ 104 いきぼとけ
銭形平次捕物控 104 活き仏

冒頭文

一 「親分、面白くてたまらないという話を聞かせましょうか」 ガラッ八の八五郎は、膝(ひざ)っ小僧を気にしながら、真四角に坐りました。こんな調子で始めるときは、お小遣をせびるか、平次の智恵の小出しを引出そうとする下心があるに決っております。 「金儲けの話はいけないが、その外の事なら、大概我慢をして聴いてやるよ、惚気(のろけ)なんざいちばんいいね——誰がいったいお前の女房になりたいって言い出したんだ

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1939(昭和14)年12月号

底本

  • 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
  • 嶋中文庫、嶋中書店
  • 2005(平成17)年5月20日