ジェンナーでん |
| ジェンナー伝 |
冒頭文
一 いまからおよそ百五十年前のことです。英国南部のバスという市(まち)で、ある夜盛大(せいだい)な晩餐会(ばんさんかい)が開かれました。 集まったものは、政治家、実業家、医師、軍人など数十人、いわゆるその市(まち)およびその付近で、名をあげている人ばかりでありました。当時まだ電燈は発明されておりませんでしたから、いく本かの美しい装飾(そうしょく)をほどこした銀色の燭台(しょくだい)が、テーブ
文字遣い
新字新仮名
初出
「少年倶楽部」講談社、1928(昭和3)年5月号
底本
- 少年倶楽部名作選3 少年詩・童謡ほか
- 講談社
- 1966(昭和41)年12月17日