あまよのかいだん
雨夜の怪談

冒頭文

秋……殊(こと)に雨などが漕々(そうそう)降ると、人は兎角(とかく)に陰気になつて、動(やや)もすれば魔物臭い話が出る。さればこそ、七偏人(しちへんじん)は百物語を催ほして大愚大人を脅かさんと巧み、和合人(わごうじん)の土場六先生はヅーフラ(註:オランダ渡来の、ラツパのような形状をした呼筒。半七捕物帳「ズウフラ怪談」に詳しい。 )を以て和次さん等を驚かさんと企つるに至るのだ。聞く所に拠(よ)れば近

文字遣い

新字旧仮名

初出

「木太刀」1909(明治42)年10月号

底本

  • 近代異妖篇 ――岡本綺堂読物集三
  • 中公文庫、中央公論新社
  • 2013(平成25)年4月25日