ぜにがたへいじとりものひかえ 053 こうたおまさ
銭形平次捕物控 053 小唄お政

冒頭文

一 「八、たいそう手前(てめえ)は粋になったな」「からかっちゃいけません、親分」 八五郎のガラッ八は、あわてて、膝(ひざ)っ小僧を隠しました。柄にない狭い単衣(ひとえ)、尻をまくるには便利ですが、真面目に坐り直すと、帆立(ほった)て尻(じり)にならなければ、どう工面をしても膝っ小僧がハミ出します。 「隠すな、八、ネタはちゃんと挙がってるぜ」 銭形平次は構わずに続けました。 「へッ、へッ、どの口

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1936(昭和11)年7月号

底本

  • 銭形平次捕物控(六)結納の行方
  • 嶋中文庫、嶋中書店
  • 2004(平成16)年10月20日