ぜにがたへいじとりものひかえ 067 らんかんのしがい
銭形平次捕物控 067 欄干の死骸

冒頭文

一 「親分、こいつは驚くぜ、——これで驚かなかった日にゃ、親分とは言わせねえ」 息せき切って駆けつけたガラッ八の八五郎、上がり框(かまち)に両手を突いて、「物申し上ぐる型」に長(なんが)い顔を振り仰ぐのでした。お行儀がよくなったせいではなく、息が切れて、しばらくは後が続かなかったせいでしょう。どもりが疳癪(かんしゃく)を起したように、一生懸命閾(しきい)を引っ叩(ぱた)いております。 「何を騒ぐ

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1937(昭和12)年9月号

底本

  • 銭形平次捕物控(三)酒屋火事
  • 嶋中文庫、嶋中書店
  • 2004(平成16)年7月20日