びんぼうなしょうねんのはなし
貧乏な少年の話

冒頭文

一 六年生の加藤大作君(かとうだいさくくん)が、人通りのない道を歩いてくると、キャラメルの箱(はこ)が一つ落ちていた。 「あれ、キャラメ……」 大作君はかがんでそれをひろおうとした。しかし急にある考えがうかんで、ひろうのをやめた。人に空箱(あきばこ)をひろわせてはずかしい思いをさせようという、だれかの意地わるないたずらかも知れない。どこかにかくれてみていて、それを大作君がひろうととたんに「わア

文字遣い

新字新仮名

初出

「おぢいさんのランプ」有光社、1942(昭和17)年10月10日

底本

  • 新美南吉童話集 2 おじいさんのランプ
  • 大日本図書
  • 1982(昭和57)年3月31日