ずいひつぜにがたへいじ 14 とりものちょうだんぎ
随筆銭形平次 14 捕物帖談義

冒頭文

一 あの荒唐無稽(こうとうむけい)な『西遊記』などを読まなかったら、私は物理学者にならなかったであろう——と、いう意味のことを、雪の学者中谷宇吉郎博士が、なんかに書いていたのを見たことがある。まことに味の深い言葉であると思う。 私は中学時代、まことに仕様のない低能児であったが、たった一つだけ将来性のある課目があった、それはなんと「数学」であったといったら、「嘘をつけ」と叱る人が

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 銭形平次捕物控(二)八人芸の女
  • 嶋中書店
  • 2004(平成16)年6月20日