あたらしきおんなのみち
新らしき女の道

冒頭文

新らしい女は今迄の女の歩み古した足跡を何時までもさがして歩いては行かない。新らしい女には新らしい女の道がある。新らしい女は多くの人々の行止まつた処より更に進んで新らしい道を先導者として行く。 新らしい道は古き道を辿る人々若(も)しくは古き道を行き詰めた人々に未だ知られざる道である。又辿らうとする先導者にも初めての道である。 新らしい道は何処から何処に到る道なのか分らない。従つて未知に伴ふ危

文字遣い

新字旧仮名

初出

「青鞜 第三巻第一号附録」1913(大正2)年1月1日

底本

  • 定本 伊藤野枝全集 第二巻 評論・随筆・書簡1――『青鞜』の時代
  • 學藝書林
  • 2000(平成12)年5月31日