はなとりゅう |
| 花と龍 |
冒頭文
序章 女の出発 「たいそう暗いが、キヌさん、もう何時ごろかのう?」「まあだ、三時にはなりゃあすまいね」「やれやれ、この谷は一日(いちんち)がよその半分しかないよ。仕事も半分しか、でけやせん」「その代り、夜がよその倍あるわ」「倍あったって、電燈はつきゃせんし、油は高いし、寝るしか用がない。この村の者がどんどん都に出て行くわけがわかるよ。遠いところに行く者は、ハワイやブラジルまでも行っとる。成功
文字遣い
新字新仮名
初出
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
底本
- 花と龍(下)
- 岩波現代文庫、岩波書店
- 2006(平成18)年3月16日