ぜにがたへいじとりものひかえ 039 あかいあざ
銭形平次捕物控 039 赤い痣

冒頭文

一 江戸名物の御用聞銭形の平次が、後にも前(さき)にもこんなひどい目に逢ったことがないという話。 「親分、変な強盗(おしこみ)が流行(はや)るそうですね」「それだよ、八、笹野の旦那にも呼び付けられて、さんざん油を絞られたんだが、十手捕縄を預かってから、俺はこんな馬鹿な目に逢ったことはねえ」「笹野の旦那まで、親分が泥棒だとおっしゃるんですか、畜生ッ」「これこれ何を言うんだ、——笹野の旦那はあの通

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1935(昭和10)年4月号

底本

  • 銭形平次捕物控(五)金の鯉
  • 嶋中文庫、嶋中書店
  • 2004(平成16)年9月20日