ぜにがたへいじとりものひかえ 012 ころされはんぞう
銭形平次捕物控 012 殺され半蔵

冒頭文

一 「平次、少し骨の折れる仕事だが、引受けてはくれまいか」 若い与力(よりき)の笹野新三郎は、岡っ引風情の銭形平次に、こんな調子で話しかけました。 「口幅ったいことを申すようで恐れ入りますが、お頼みとあれば、どんな事でも、旦那」 先代から厄介になっている銭形の平次としては、首をくれと言われても、断られた義理ではありません。それに平次も笹野新三郎に劣らず、若さと覇気と、感激性を持っていた頃のことで

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1932(昭和7)年3月号

底本

  • 銭形平次捕物控(五)金の鯉
  • 嶋中文庫、嶋中書店
  • 2004(平成16)年9月20日