ぜにがたへいじとりものひかえ 055 ろじのこばん |
| 銭形平次捕物控 055 路地の小判 |
冒頭文
一 「親分、笑っちゃいけませんよ」「何だ、八」「親分もあっしも同じ人間でしょう」 ガラッ八の八五郎はまた変なことを言い出しました。 「その通りだ、眼が二つ、口が一つ、なるほど、こいつは不思議だ。今まで気が付かなかったが、手前(てめえ)の言う通りお互にあんまり変っちゃいないね、八」 銭形平次もこの調子です。 「まぜっ返しちゃいけません。——ね、親分、その同じ人間のあっしが、どう修業しても、親分の
文字遣い
新字新仮名
初出
「オール讀物」文藝春秋社、1936(昭和11)年9月号
底本
- 銭形平次捕物控(五)金の鯉
- 嶋中文庫、嶋中書店
- 2004(平成16)年9月20日