ぜにがたへいじとりものひかえ 049 まねくがいこつ
銭形平次捕物控 049 招く骸骨

冒頭文

一 「親分、笑っちゃいけませんよ」「嫌な野郎だな、俺の面を見てニヤニヤしながら、いきなり笑っちゃいけねえ——とはどういうわけだ」 銭形平次とガラッ八の八五郎は、しばらく御用の合間を、こう暢気(のんき)な心持で、間抜けな掛合噺(かけあいばなし)のような事を言っているのが、何よりの骨休めだったのです。 「親分にお願いしてくれ——って言うんだが、化物退治じゃねえ」「化物退治は洒落(しゃれ)ているね。場

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1936(昭和11)年3月号

底本

  • 銭形平次捕物控(二)八人芸の女
  • 嶋中文庫、嶋中書店
  • 2004(平成16)年6月20日