ぜにがたへいじとりものひかえ 092 きんのちゃがま |
| 銭形平次捕物控 092 金の茶釜 |
冒頭文
一 「親分、金(きん)の茶釜(ちゃがま)を拝んだことがありますかい」 ガラッ八の八五郎は、変なことを持込んで来ました。 「知らないよ、金の茶釜や錦(にしき)の小袖はフンダンにあるから、拝むものとは思わなかったよ」 銭形平次は無関心な態度で、よく澄んだ秋空を眺めておりました。見立て三十六歌仙(かせん)の在五中将(ざいごちゅうじょう)が借金の言い訳を考えているといった姿態(ポーズ)です。 「ヘエ—
文字遣い
新字新仮名
初出
「銭形平次捕物百話 第八巻」中央公論社、1939(昭和14)年6月28日
底本
- 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
- 嶋中文庫、嶋中書店
- 2005(平成17)年1月20日