ぜにがたへいじとりものひかえ 019 えいらくせんのなぞ |
| 銭形平次捕物控 019 永楽銭の謎 |
冒頭文
一 石原(いしはら)の利助(りすけ)が大怪我をしたという噂(うわさ)を聞いた銭形の平次、何を差措(さしお)いても、その日のうちに見舞に行きました。 同じ十手捕縄を預かる仲間、昔は手柄を張合った気まずい仲でしたが、利助も取る年でいくらか気が挫(くじ)けた上、平次の潔白な侠気(おとこぎ)が、何より先に、娘のお品(しな)を動かして、今では身内のように付き合っている二人だったのです。 「兄哥(あに
文字遣い
新字新仮名
初出
「オール讀物」文藝春秋社、1932(昭和7)年10月号
底本
- 銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
- 嶋中文庫、嶋中書店
- 2005(平成17)年1月20日