ゆき

冒頭文

Sine qua non ()乖離くわいり 一 十月。秋神の即位。——金鶯(みそさざい)一羽、廃園のエルムの樹に通ひはじめる。 二 道傍の亜灌木にある、水禽の糞。 湖からあがる風が、弧を描いて、水霜の葉におちる。 青い鶫(つぐみ)が食卓にのぼりだすと、聖餐式のやうに澄んだ夜ごとが、展(ひら)ける… 三 手帖に一篇

文字遣い

新字旧仮名

初出

「雪」文芸汎論社、1942(昭和17)年5月4日

底本

  • 高祖保詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1988(昭和63)年12月20日