こま
独楽

冒頭文

征旅 蛾はあのやうに狂ほしくとびこんでゆくではないかみづからを灼く 火(ほ)むらのただなかにわたしはみづからを灼く たたかひの火むらのただなかへ とびこんでゆくあゝ 一匹の蛾だ夢に白鶏をみる 暁のともしびほそく灯りて歳新し 城太郎暁(あけ)のともしび ほそい庫裡に神さびた白鶏が ククク、クと鳴いて羽搏いたあとは 森閑と なり鎮まる(鶏の面輪は 阿母(はゝ)の俤あつて 床しい)いま 厳かにうつつな

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 高祖保詩集
  • 現代詩文庫、思潮社
  • 1988(昭和63)年12月20日