ふきのしたのかみさま
蕗の下の神様

冒頭文

一 今は昔(むかし)、もうずっとの昔のことですが、北海道にコロボックンクルという、妙(みょう)な神様が住んでおられました。その時分はまだ北海道には日本人が一人もいなくて、山には熊(くま)、川には鮭(さけ)、そして人間といえばアイヌ人ばかりでした。だからコロボックンクルはアイヌ人の神様でした。この神様は大変体が小さいものですから、雨の降った日でも日の照った日でも、それが丁度(ちょうど)屋根のような

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥 第六巻第一号」赤い鳥社、1921(大正10)年1月1日

底本

  • ファンタジー童話傑作選 2
  • 講談社文庫、講談社
  • 1979(昭和54)年4月15日