しんきだんクラブ 06 だいろくや にんぎょうのごくもん
新奇談クラブ 06 第六夜 人形の獄門

冒頭文

名人大六雲鼎 「人形の首を梟(さら)した、——という話、気味は悪いが、充分に面白い積りです」 第六番目に立った話の選手大滝左馬太(さまた)は、奇談クラブの談話室で、斯う話し始めました。 「これも今の世の事ではありません。天保十一年の晩春、十一代将軍家斉の治下で、江戸の風物は熟れた果物のように、甘酢ぱく頽廃し切った時のこと、私の為には流祖、人形師としては、古今の名人と言われた松本鯛六——一名大六雲

文字遣い

新字新仮名

初出

「朝日 第三巻第六号」博文館、1931(昭和6)年6月1日

底本

  • 奇談クラブ(全)
  • 桃源社
  • 1969(昭和44)年10月20日