しんきだんクラブ 05 だいごや あくまのはんごんこう
新奇談クラブ 05 第五夜 悪魔の反魂香

冒頭文

鼻観外道 「この話の面白さに比べると、失礼だが今まで語られた奇談は物の数でもない、——と言うと、アラビアン・ナイトのお妃の極り文句のようですが、私は全くそう信じ切って居るのです」 奇談クラブの集合室で、話の競技の第五番目に選手として立った春藤薫は、十三人の会員達の好奇に燃ゆる顔を見渡し乍ら、斯う言った調子で始めました。まだ若々しい癖に、白襟に十徳見たいな被布を羽織った、妙に物越しの滑らかな、茶の湯

文字遣い

新字新仮名

初出

「朝日 第三巻第五号」博文館、1931(昭和6)年5月1日

底本

  • 奇談クラブ(全)
  • 桃源社
  • 1969(昭和44)年10月20日