しんきだんクラブ 04 だいよんや こいのふざいしょうめい
新奇談クラブ 04 第四夜 恋の不在証明

冒頭文

プロローグ 「女は全く謎の塊のようなものですね」 奇談クラブの談話室——例の海の底のような幽幻な光の中で、第四番目の話の選手、望月晃は斯う始めました。 それは、十三人の会員達の度胆を抜く為に用意された、奇抜な序奏(プロローグ)と言うよりは、寧ろ話し手の腹の底から沁み出して来たやるせない述懐の言葉らしく響くのでした。 「私は大変な経験をして了いました。生涯忘れることの出来ない不愉快な記憶が、私

文字遣い

新字新仮名

初出

「朝日」博文館、1931(昭和6)年4月号

底本

  • 奇談クラブ(全)
  • 桃源社
  • 1969(昭和44)年10月20日