しんきだんクラブ 02 だいにや におうおどりこ
新奇談クラブ 02 第二夜 匂う踊り子

冒頭文

蔵園宗三郎の話 「途方もない話をすると思う人があるかも知れませんが、これは総て私の経験した事実で、寸毫のおまけも無い、癪にさわるほど露骨な物語であります」 第二話を引き受けた若い富豪蔵園宗三郎は、その秀麗な面を挙げて、少し極り悪そうに斯う話し始めました。奇談クラブの集会室、例の真珠色の光の中に、女会長の美しい吉井明子を中心に、贅沢の限りを尽した思い思いの椅子が、十二の花弁のように配置されております

文字遣い

新字新仮名

初出

「朝日」博文館、1931(昭和6)年2月号

底本

  • 奇談クラブ(全)
  • 桃源社
  • 1969(昭和44)年10月20日