きだんクラブ〔せんごばん〕 12 こじきしがん |
| 奇談クラブ〔戦後版〕 12 乞食志願 |
冒頭文
プロローグ 「徳川時代の大名生活のただれ切った馬鹿馬鹿しさは話しても話しても話し切れませんが、私にもその一つ、取って置きの面白い話があるのです」 話し手の宇佐美金太郎(うさみきんたろう)は、こんな調子で始めました。飴の中から飛出(とびだ)したような愉快な江戸っ子で、大柄の縞の背広は着ておりますが、その上から白木綿(しろもめん)の三尺を締めて、背広に弥蔵(やぞう)でもこさえたい人柄です。 「私の話
文字遣い
新字新仮名
初出
「月刊読売」1947(昭和22)年9月
底本
- 野村胡堂伝奇幻想小説集成
- 作品社
- 2009(平成21)年6月30日