きだんクラブ〔せんごばん〕 08 おんばんのきけい |
| 奇談クラブ〔戦後版〕 08 音盤の詭計 |
冒頭文
プロローグ 話し手の望月辛吉(もちづきしんきち)は、有名なジレッタントで、レコードの蒐集家の一人として知られた男でした。叔父(おじ)の経営している会社の平社員で——望みさえすれば、専務にも支配人にもなれる七光りの背景を持っているのですが、望月辛吉に取っては下手な詩を作って、好きなレコードを集めて、外国の探偵小説を読んで、マドロス・パイプを磨いて、出世もしない代り、首にもならない今の地位が、譬(た
文字遣い
新字新仮名
初出
「月刊読売」1947(昭和22)年6月
底本
- 野村胡堂伝奇幻想小説集成
- 作品社
- 2009(平成21)年6月30日