きだんクラブ〔せんごばん〕 05 だいさくこいぶみ
奇談クラブ〔戦後版〕 05 代作恋文

冒頭文

プロローグ 小説家大磯虎之助(おおいそとらのすけ)は、奇談クラブのその夜の話し手として、静かに壇上に起ちました。 まだ三十を幾つも越していない筈(はず)ですが、一(ひ)と頃人気の波に乗って、文壇の一角から、その同志達に号令をかけていただけに、なんとなく老成した感じの、やや旧式な美成年でした。 「これは私の友人の経験した話で、決して大衆小説の筋のように、奇っ怪なものではありませんが、この少し

文字遣い

新字新仮名

初出

「月刊読売」1947(昭和22)年4月

底本

  • 野村胡堂伝奇幻想小説集成
  • 作品社
  • 2009(平成21)年6月30日