きだんクラブ〔せんごばん〕 02 さきょうのこい
奇談クラブ〔戦後版〕 02 左京の恋

冒頭文

プロローグ 奇談クラブの席上、その晩の話し手天野久左衛門(あまのきゅうざえもん)は、こんな調子で始めました。 「これは実に今日の常識や道徳から見れば不可思議極まる事件だが、芸術至上主義に対する、一つの反逆でもあると思います。筋にはなんの誇張もなく、全く切れば血の出るような本当の話ですが、この話の中から、興味以上のものを汲みとって下されば、私の満足はこの上もありません」 そういい乍(なが)ら、天

文字遣い

新字新仮名

初出

「月刊読売」1947(昭和22)年1月

底本

  • 野村胡堂伝奇幻想小説集成
  • 作品社
  • 2009(平成21)年6月30日