りょうしょくのはて
猟色の果

冒頭文

女性というものの平凡さに、江島屋宗三郎(えじまやそうざぶろう)は、つくづく愛憎(あいそ)を尽かして居りました。 持った女房は三人、関係(かかり)あった女は何十百人、武家の秘蔵娘から、国貞(くにさだ)の一枚絵になった水茶屋の女、松の位から根引いた、昼三(ひるさん)の太夫(たゆう)まで、馴れ染めの最初は、悉(ことごと)く全身の血を沸(たぎ)らせるような、魅惑を感じたにしても、一度(ひとた)び手活(

文字遣い

新字新仮名

初出

「娯楽世界」1949(昭和24)年2月

底本

  • 野村胡堂伝奇幻想小説集成
  • 作品社
  • 2009(平成21)年6月30日