おうごんをあびるおんな
黄金を浴びる女

冒頭文

奉行に代って 「お駒(こま)さん、相変らず綺麗だぜ」「あら、権次(ごんじ)さん、お前さんは相変らず口が悪いよ」「口の悪いのは通り者だが、お駒さんの綺麗なのと違って罪は作らねえ」「何を言うのさ、いきなり悪口を言ったり、好い児(こ)になったり」 二人は顔を合せさえすれば、斯(こ)んな調子で物を言う間柄だったのです。 神田明神前にささやかな水茶屋を営んで居る仁兵衛(じんべえ)の娘お駒、国貞(くにさだ

文字遣い

新字新仮名

初出

「オール読物」1933(昭和8)年4月

底本

  • 野村胡堂伝奇幻想小説集成
  • 作品社
  • 2009(平成21)年6月30日