にごりえ
にごりえ

冒頭文

一 おい木村さん信(しん)さん寄つてお出(いで)よ、お寄りといつたら寄つても宜(い)いではないか、又素通りで二葉(ふたば)やへ行く気だらう、押(おし)かけて行(ゆ)つて引ずつて来るからさう思ひな、ほんとにお湯(ぶう)なら帰りにきつとよつておくれよ、嘘(うそ)つ吐(つ)きだから何を言ふか知れやしないと店先に立つて馴染(なじみ)らしき突(つツ)かけ下駄の男をとらへて小言(こごと)をいふやうな物の言ひ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文芸倶楽部」1895(明治28)年9月号

底本

  • にごりえ・たけくらべ
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1949(昭和24)年6月30日、2003(平成15)年1月10日116刷改版