もじにたいするびんかん
文字に対する敏感

冒頭文

此頃の発句を作る人ほど、文字に対して敏感を欠いてゐるものも少なからう。 文字に対する敏感—— こゝに一つの句があるとする。 その句の存在は、耳に聞く前に、まづそれが眼に訴へられるものである事を考へなければならない。 その眼にうつたへられる場合、その文字を選ばない事によつて、其の句の持つてゐるものを——感じをハッキリ伝へることの出来ないことが屡々ある。

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻88 文字
  • 作品社
  • 1998(平成10)年6月25日