いちようのにっき
一葉の日記

冒頭文

“ある女——斯の人は夫を持たず了ひで亡くなつたが、彼女の居ない後では焼捨てゝ呉れろと言ひ置いて、一生のことを書いた日記を遺(のこ)して行つた。” “種々な人のことが書いてあるといふ彼女の日記は、幾度か公にされるといふ噂のみで、その機会なしに過ぎた。焼捨てるのは勿体ないし、唯蔵(しま)つて置くのも惜しい、世間へ出して差支の無いものなら出したい、斯ういふ妹からの頼みで、自分等は順にそれを読んで見るこ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻28 日記
  • 作品社
  • 1993(平成5)年6月25日