うつくしがはら |
美ヶ原 |
冒頭文
筑摩山脈の武石(たけし)峠が日本アルプス殊に北アルプスの好展望地であることは、『山岳』五年三号の附録中村清太郎君筆の「冬季信州武石峠より望める日本アルプス略図」に依って世に紹介されてから、山岳の展望に趣味を持つ程の人で知らぬ者は無い位(くらい)有名になった。実際此(この)山脈の山で千七、八百米の高さがあれば、孰(いず)れも眺望がよさ相(そう)に思える。中にも美ヶ原は山脈の中央部に位し、且(か)つ其
文字遣い
新字新仮名
初出
「山岳」1921(大正10)年12月
底本
- 山の憶い出 上
- 平凡社ライブラリー、平凡社
- 1999(平成11)年6月15日